Column|京都の制作スタジオを訪ねて

朝6時24分、新横浜発の新幹線にはポツリポツリと出張へ向かうビジネスマン、旅行へ胸を弾ませる家族たちが少しだけ乗り込んだ独特の空間だった。

この日、単身「京都」へ向かったのは「Tシャツ」という物の価値を再発見するためだったのかもしれない。京都駅から私鉄に乗り換えて「JAMMIN」さんへ到着したのは1時間後だろうか。夏の名残を残した雲と青空の間を新鮮な空気が優しく通り抜けていた。

積もる話もそこそこに、その1枚に価値が吹き込まれる場所に案内してもらった。薄手のRun & Beer Teeの生地を物語るように、土台にまでインクが染み込んだプリント台がずらっと私を迎えてくれた。
そう、Runtrip Storeの人気Tシャツの多くは、この京のスタジオで1枚1枚丁寧に刷られている。生地の色味とプリントの発色が最高の相乗効果を発揮するために丁寧に調合されたインクは、手作業によるものづくりを無言で物語っている。

「JAMMIN」さんは社会課題に取り組むNPO等と週替わりでコラボしたTシャツを販売するのがメイン事業。制作スタジオに併設するカフェでは障害者の方が働き、裏の農家ではそんな方達が栽培した野菜が五感を刺激する。

「昭和」「平成」と二者択一の世界が確立された。「金持ち」か「貧乏」か。「勝ち組」か「負け組」か。そんな白黒ハッキリした世界の間には、実際広大なグレーゾーンが広がっている。今の時代のモノサシにおいて、我々ラントリップが創ろうとする「文化」や「ものづくり」は、そんなグラデーションの波にもまれながらも、心と身体の「真の豊かさ」を追求していきたい。京の地で感じた「豊かさ」に、これからの10年20年を見据えた創るべき世界のヒントを感じずにはいられなかった。

1枚づつ手で刷られたプリントには、独特な風合いが宿る。実際、Tシャツによってわずかだがプリント位置が異なり、それが1枚1枚の味となる。新作のTシャツが積み上げられたその佇まいには、そんな彼の個性を感じずにはいられなかった。

京の地で吹き込まれた魂を、責任もってみなさまの元へお届けする。そんな姿勢こそ「ランニングのあるライフスタイル」を届ける上で、何より大事にしなければならない軸足なのだと、思いを新たにして京都の地を後にした。