Column|潮風吹く、撮影現場から。

もう何日も前から天気予報とにらめっこしていた。多忙なスケジュールの中で抑えた湘南でのシューティング。梅雨前線が南下し、異例とも言える5月関東梅雨入りも囁かれる状態だった。万が一のために、屋内スペースは確保してある。しかし、今回の撮影は湘南の海と、青空をバックにしないと、絶対に成立しない。

そんな心の叫びは、この写真を見れば杞憂に終わったことが証明されている。そう、梅雨を思わせる1週間の中で撮影の時間だけ湘南は晴れた。最初は1時間だった晴れ間の予報は、撮影の進行と共に伸び続け、全ての撮影が終わった頃にドス黒い雨雲はノコノコとやってきたのだ。

媚びない、偉ぶらない、笑顔と気遣いを忘れない。立ち居振る舞いだけで、彼が"本物のリーダー"であることが分かる。とりわけ多くのスポーツ競技の中でポジションや人材の多様性と、精神やプレーとしての献身性を必要とする「ラグビー」という世界のフィールドで鍛えてきたのは、Tシャツに浮かび上がる筋肉だけではないことは文字通り背中が語っている。

海岸での撮影では無邪気に何度も走って頂いた。波にランニングシューズが晒されても笑顔で周囲を気遣った。そんな彼が、選手時代は嫌いだった「走ること」の魅力に今、向き合っている。ラグビーのキャプテンシーで鍛え抜いた精神と、走ることを通じて加速させたそのポジティブなパワーが、当日の雨雲すら吹き飛ばした。今回の新アイテムは、そんなパワーを真っ白なキャンバスに秘めている。これを手に取り、袖を通し、共に走る、生きることで、心の奥底から湧き上がるエネルギーを感じて欲しい。