ランニングを楽しむ人たちを足元からサポートする「OLENO」。靴下のまちから生まれたランニングソックスづくりの裏側とは

この秋、Runtrip Storeから登場したばかりのオリジナルソックス『Runtrip × OLENO 2Line Socks』。Runtripロゴと2本のラインがランナーの足元を彩るデザインが特徴的なランニングソックス。

オリジナルソックスの制作を担うのは、靴下の生産量が日本一を誇る靴下のまち、奈良県広陵町にある創業88年の昌和莫大小(しょうわめりやす)から生まれたファクトリーブランド『OLENO(オレノ)』。

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「常に最高品質を求める」流儀により、快適な履き心地と機能性を追求してソックスを制作。耐久性の高いモデル『アルティメット』をはじめ多くのランナーから人気を得ています。

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こちらの記事では、ソックスづくりにかける想いや制作の裏側について、昌和莫大小の工場で代表取締役・井上克昭さん、商品開発部長・能丸巌さんへ伺いました。

靴下のまちから生まれたソックスブランド「OLENO」

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(左から)代表取締役・井上克昭さん、商品開発部長・能丸巌さん

ーーOLENOを立ち上げた背景にはどのようなストーリーがあったのでしょうか?

井上:OLENOブランドを立ち上げたのは2017年で、それ以前はOEMメーカーとしてタイツやレギンスを中心に生産してきました。百貨店を中心に販売される高級アパレルブランドへ納品するため、ファッション性の高いひと工夫も、ふた工夫も必要な柄の出し方、表現という高い技術を必要とするものが多かったんです。いいものづくりを追い求めて生産してきましたが、時代と共にブランドが売れなくなっていくという苦境に入りまして。

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井上:多くのアパレルブランドから「もう少し安く仕入れたい」と要望が届き、「負けてくれ」と言われても、我々も妥協できない部分が多くて。売れるために品質的に良いものづくりを提供しようと努力はしてきたのに、コストを下げるごとにこだわることが難しくなっていく。高級ブランドの商品でも良いものづくりができないとなると、消費者はどう思うんだろうかと頭を抱えました。

そんななか、OEMからの脱却を目指さなければいけないという危機感を持ち始め2014年頃からブランドを立ち上げる構想がスタート。2017年にOLENOを立ち上げました。あらゆる商品のなかから、シーズン問わず履いてもらえるということで靴下のブランドを作ることに決まりました。

ーーOLENOというブランド名はなぜ生まれたのでしょうか。

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井上:元々、1981年にメンズタイツのオリジナルブランド名として『俺の』という商標登録を取っていたんです。その後、大手ブランドが同じような商品を売り出したこともあり『俺の』は需要が減少していきましたが、商標の更新はしていたのでブランド名が残っていたんです。ソックスのブランドを立ち上げるときに、自分たちの好きなものを「俺が作んねん」という気概で考えていたとき、『俺の』が浮かびリブランディングする形で『OLENO』と命名しました。

昔から自然が好きで、毎年2、3回は必ずキャンプに行くんです。岡山や長野、車で3時間から5時間かけて行くこともあります。田舎育ちなので、子供の頃から田んぼや雑木林に囲まれて育って、自然のなかで遊ぶことがいつも隣にありました。そういった背景から、アウトドア向けのソックスを制作することにしたんですよね。

ベストパフォーマンスを引き出すギアづくり

ーーOLENOのソックスはどのような特徴があるのでしょうか。

井上:シーン毎にベストパフォーマンスを引き出せるギアを取り揃えています。例えばトレイルランニングならトレイルランニング向けの『アルティメット』シリーズ。ファンランとして楽しみたいという方であれば、適度なサポートを施した『コモディ』シリーズや『ラン』シリーズを展開しています。

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井上:その方のパフォーマンスが引き出せるギアを目指してものづくりを行なっており、パフォーマンスを上げられるものであれば通常は使わない素材でも取り寄せたり、オリジナルの素材を使った製品も展開しています。

ーーランニング向けソックスを展開しはじめたきっかけは?

井上:最初は自分たちが「こういうプロダクトがあればいいだろう」という考えでものづくりをスタートしたんです。すると、偶然トレイルランナーの方からメールが来て商品に対して「そんな、もうちょっとこうしたらええねん」という厳しい意見や「機能はもっとこうしてほしい」というフィードバックが書かれていました。

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井上:その方の問い合わせから始まって、連絡を取ることが続いたんです。さらにその方の知り合いに、転勤でインドネシアに住みながら現地で日本人のランニングコミュニティーを作るトレイルランナーの方がいて、その方にも商品のフィードバックをもらうようになりました。「辛口やから覚悟しときや」と言われてどんなダメ出しでも受け止めようと思い、その方たちの意見を取り入れていきました。

「もっとフィット感を上げてほしい」「グリップ力が必要だ」と細かい部分から色々と教えていただいて、意見を製品に反映させていくことの繰り返しでした。

ーー試行錯誤の連続だったのですね。

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耐久性の高いソックスを目指してつくられた「アルティメット」(出典:OLENO公式サイト)

井上:その試作の繰り返しではじめて、トレイルランニングにはその競技特有の機能がいるのだと気づきました。不整地を走り続けるので、足を締め付けるフィット感とシューズとの一体感を感じるグリップ力が大切になるんです。

ランナーとともにアイテム作りを進めている

井上:トレイルランニングであればトレイルランナーでないと分からないことがたくさんある。使う方々に教えてもらう方がいいと感じて、ランナーの皆さんと共創する現在の形がスタートしました。OLENOアスリートクラブというチームを作り、プロトタイプを試してもらっています。自分事のようにOLENOを考えてフィードバックを送ってくださる方が多いんです。

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井上:今ではトレランシーズンに入ると、毎週末のように多くの大会にブース出展しています。元々、私は走っていなかったのですが、トレイルランナーの方々とつながるようになって、走ったり大会に参加することも増えました。

ーーOLENO製品をつくるなかで大変なこと、やりがいはどんな点ですか?

能丸:自分たちでは思ってない部分のことも求められるので、それがどういう機能なのか。どういう作り方なのかっていうのが常に考えていかないといけないですよね。その点が大変であり、乗り越えられたときのやりがいにもなると思います。

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能丸:実は、私もOLENOのソックスを制作するようになってから周りのトレイルランナーの皆さんの影響で走り始めて、今年9月に110kmのレースにチャレンジしたんです。自分自身でランナーが体感している状況を学ぶことも必要だと日々感じています。

ーーソックスはどういう工程で作られていくのでしょうか。

井上:まず、用途に合わせてどのような素材、 どういう機能が必要になるかという構想から始めるんです。どういう方に使ってもらいたいか考えて、原料の手配をするという流れです。

たとえばアルティメットシリーズは、最強の靴下を作ろうということで、 薄くて強度の高い素材を選びました。CORDURA ®︎(コーデュラ)ブランドファブリックを使っているのですが、糸にも色々あって、コーデュラが40%入ってる糸やウールと一緒に入ってるなどがあります。検討を重ねるなかで、コーデュラが100%入ってた方がいいと思い手配したところ「コーデュラ100%の素材は、靴下では使ったことがない」と言われたこともありました。それでも、コーデュラ100%の素材を選んで開発を重ねました。

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フィット感とグリップ力、耐久性を兼ね備えたアルティメットシリーズ

能丸:そうした素材を選んだことで、非常に耐久性の高いソックスをつくることができました。生地を伸ばそうとしても、なかなかつまめないぐらいの耐久性を備えています。

井上:さらに、商品づくりの過程はどこに着圧を入れて、緩めるか。締め方はどれぐらいにして。5本指にするのか、ラウンド形にするのかと検討を重ねます。生産に入ったら、プロトタイプを着用して、着用感を確かめる。あるいは機能の実証実験を行うんです。商品の改良をどんどん加えていき、 最終的な形になれば本生産開始という過程ですね。構想からサンプル、最終的な完成までは早いもので2か月から3ヶ月。長いものであれば、3年かかるものもあります。

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能丸:工場では、40台ほどの織り機で1つ1つの商品を作っています。織り機から出る糸が編まれていくことでソックスの形になっていきます。耐久性の高いソックスだと使う素材も厚手のものに変わるため、1個の商品を作るための時間も長くなります。14名と少数のスタッフで製造から検品、パッケージまで行っているんですよ。

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織り機から出る、ソックスを作る糸
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1つ1つ丁寧にパッケージに包んでいく

日常からランニングまで、足元を支えるソックス

ーー最後に、Runtrip Storeで販売中の『Runtrip × OLENO 2Line Socks』の生地にはどのような特徴がありますか?

能丸:OLENOのスポーツカテゴリーのなかに『ラン』シリーズというモデルがあるのですが、それと同じ素材を使っています。

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Runtrip × OLENO 2Line Socks(Green × Green)

井上:ランニング向けに吸水・吸汗性と速乾性に優れた素材を採用しています。また、着圧機能とアーチサポート機能を備えています。日々のジョギングをはじめランニングを楽しんでいる方にフィットする機能を求めて作りました。普段履かれているようなソックスに寄せた作りになっているので、ファンランとして走っている方でも快適に走り続けられると思います。普段履きにも合わせられるので、ストレスを感じることなく履けます。

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Runtrip × OLENO 2Line Socks(Green × Yellow)

井上:ランニングの動きを考慮して、部位ごとに縫い合わせを変えた作りになっています。特にランニングは着地時の衝撃もあるのでソールと接する部分はパイル構造でクッション性を高めています。

ーー井上さん、能丸さんのお話を伺ってものづくりに懸ける情熱が伝わってきました。制作の現場や裏側を教えていただきありがとうございました。

井上・能丸:ありがとうございました。

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靴下のまちから生まれたソックスブランド『OLENO』。その商品づくりの背景には、ランナーをはじめスポーツに打ち込む人々がより快適に動けるようなアイテムをつくりたいと情熱を傾ける方たちの姿がありました。

OLENOとのコラボによって完成した『Runtrip × OLENO 2Line Socks』はRuntrip Storeで各カラー展開中。日々のランニングシーンで細かい工夫が施されたOLENOのソックスが足元をサポートします。

また、本記事でもご紹介した『アルティメット』、『コモディ』各シリーズはOLENO公式サイトで販売されています。こちらもぜひ手に取ってみてくださいね。

Runtrip × OLENO 2Line Socks

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カラー展開|Green × Yellow/ Green × Green
価格|¥2,700(税込)